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Love&Love英語でメキメキ!!上達コーナー


Love&Love英語でメキメキ上達!!
 

◆吉田 貞雄氏の”35歳から英語を絶対身につける法”から

 どうしても英語の専門家になれそうもないが、ほかに仕事が手一杯あっても、1日10分なりの時間を割いて何とか英語を学んでみたいと思っている人。

 また、30代、40代になって、もう一度英語にチャレンジしてみようという意欲を持たれている人。

 どうか本書を通じて、私とともに同時体験をしてほしいとのことです。

 かつて、帝人社長・故大屋晋三氏は、新入社員が入ってくるたびに、

「今の諸君の年齢を一応25歳と仮定しよう。

 25歳から35歳までの10年間、英語の一カ国語に集中したまえ。

 そうすれば今の力は大したことでなくても、10年の積み重ねは、恐らく十分に英語をマスターすることができると思う。

 次に35歳から45歳まで、ドイツ語ならドイツ語をやりたまえ。

 そして45歳から55歳まではまた別の外国語をやるのだ。

 こうして55歳になると、わが社は定年(当時)になる。

 しかし、この中の某君が、私の言ったことを忠実に実行して、定年までに、英、仏、独の三カ国語を完璧にこなしていたとする。

 その某君の働く場所は、社内・社外のいたるところにあるだろう」

 こう語りかけるのが、ログセだったそうです。

 人は誰でも、人生の片道旅行しか体験することができません。

 やり直しはききません。

 そして毎日毎日が、確実に規則正しく失われていきます。

 この当たり前のことを忘れないで、一日一日を大切にしながら生きていこうと考えている人は少ないようです。

 そしてそれを実行している人はなお少ないようです、と吉田さんは言われています。

 自分の人生について考える者は自分です。

 人生80年−長い人生の中で自分はいったい何をしなければならないのでしょうか。

 吉田さんは、まずそれを考え実行することからスタートしたそうです。

 その1つは、35歳から英語にチャレンジしたことです。

 なぜ、35歳から突然、英語にチャレンジしようとしたのでしょうか。

 ダイエー社長・中内功氏の英語による入社式のスピーチが、カルチャーショックを与えたそうです。

 流通産業に身を投じて15年、英語に縁のない生活を送ってきて、このときほど、英語が世界の常識言語であることを思い知らされたことはないそうです。

 ビジネスマンが海外に飛躍し、多くの外国人が日本人との接触を求めて来日する今、英語の落ちこぽれと笑ってすまされない状況にあると思ったとのこと。

 といっても、すでに35歳でした。

 どうやって英語を学ぶか。

 どうすれば短期間にマスターできるか。

 その方法も、最良の師も、わからないでいたそうです。

 いや、とても英語に時間をあてる余裕などなかったとのこと。

 しかし思っているだけでは、英語はマスターはできません。

 そこで、タイム・ウォッチング計画表を作ることにしたそうです。

 35歳からの英語修得入門計画表です。

 復習よりも予習を……これが英語修得入門計画を貫いている考え方だったそうです。

 第一に、ゼロからチャレンジして、基礎力をつけるための実行計画は、英語にどつぶりつかる環境づくりの計画だったそうです。

 15年以上も勉強をしていませんから、中学生や高校生よりも英語力はかなり遅れてしまっています。

 これを取り戻そうとすると体に無理をしなければならなくなります。

 しかし、若さがない、記憶力も減退しています。

 さらに本業のビジネスにも支障をきたさない状態をつくらなければなりません。

 第二に、達成度としての計画は、週単位に一覧表で別の紙に書き出し、書斎や壁やトイレ、天井にはっておき、毎晩寝る前にどれができ、どれができなかったかを○×印でチェックするようにしたそうです。

 週末には今週の実施率何点というように総合点を出して、前週との比較をして進歩したかどうかを見るようになりました。

 知っている人に会うとひやかし半分に、よくこんなことを言われたそうです。

「三十五歳から、英語に再挑戦するなんて、その意志力はたいへんなものですね」

「人間は、生まれてから脳の重さが増える。満1歳で2倍になり、大人になって3倍になる。しかし40歳ともなれば20代に比べて記憶は低下するのではないのですか」

 実際の吉田さんは、むしろ平均的サラリーマンよりはずっと弱気で、意志の薄弱な人間でだったそうです。

 人は誰でも弱い一面を持っています。

 長い間の習慣から抜け出して、何か新しいことをやり始めようと思うときは、それが困難な計画であればあるほど、かなりの決心が必要です。

 たとえやり始めたとしても、それを長続きさせることはむずかしく、三日坊主で終わってしまう場合が多いです。

 やり抜く方法として、計画表のほかに、次の2つの方法をとることにしたそうです。

 何かをやり始めようと思うときは、毎日少しずつ小出しに実行しようとしてみても、長続きしません。

 スタートのときは、少し多めの計画を、多少無理をしてでもやってみます。

 そして思いきって一度に舵をきります。

 もう一つの方法は、やろうと思い立ったら、それを大きな声で公言することです。

 家族に話し、友人に話し、実行することを公約します。

 そうすれば、最後まで完走しないわけにはいかなくなります。

 みなの目が凝視しているから、簡単に途中で投げ出すことができなくなります。

 二階にハシゴ段で昇ったあと、そのハシゴを自分で取り払ってしまえば、もう飛び降りるしかありません。

 そういう背水の陣を、自分自身で設営するのだそうです。

 なるほど。

 三十五歳から英語をマスターするための最大の敵は、意志の力以外に、もう1つあるそうです。

 それは、

 タイム・イズ・モオーネエー

です。

 時間は命です。

 学生のように英語のみを勉強し続けるほど、時間の余裕はありません。

 ビジネスや接待の時間もあれば、家庭サービスの時間も必要です。

 そこで、吉田さんがとったのは、コマギレ時間をつないでいく方法です。

 例えば通勤途上。

 車中をできるだけ利用するには、小型の本かコマギレ本が便利です。

 ほかにもあります。

 駅の待ち時間、人待ち時間、喫茶店の待ち時間等です。

 こういう待ち時間こそ勉強のゴールデンタイムですね。

 吉田さんは、落ち穂時間を捨てないで学んだそうです。

 要は自分に合った方法を発見することです。

 英語が上達しない原因は、英語がむずかしいものだと頭から決め込んでしまうことだそうです。

 伊藤さんは、英語のシャワーを浴びることで、その恐怖感を取り除くことにしたそうです。

 それは、もっぱらラジオ、テレビ講座とカセット・テープレコーダーでした。

 早朝出勤前の時間を、毎日欠かさず続けることによって、短期間に英語の恐怖や不安を解消することができました。

 髭を剃り、顔を洗うときも、朝食を食べながらも、英語のテープを繰り返し繰り
返し聴いきました。

 語学テープは現在巷間にあふれています。

 どれを選んだらよいか迷うほどです。

 伊藤さんが当時使用したテープはリンガフォン協会や英語教育協会のものでした。

 それを何回も何回も繰り返し聞いたので、しまいにはテープが傷んで音質がガタガタになってしまったそうです。

 なるほど。

 テープを聞く効果的な時間は、早朝か夜眠る直前がよいそうです。

 早朝は暗記情報と、その他の情報との間隔が長いからです。

 夜眠っている時間という空白が長いため情報=記憶の打ち消し合いが避けられるのです。

 夜眠る直前の時間帯も、記憶してからあとはすぐに眠ってしまうので、次の情報が入る翌朝まで空白の時間が長く、同じような結果が得られるそうです。

・カセットを開くときは、テキストを閉じておきます。

・知らない単語を気にしないで、2回聞きます。

・3回目に開くときは、わからない部分を注意します。

・4回目でテキストを開きます。

・わからない部分は◎印をつけます。

・1週間経過後、もう一度開きます。

・最終的には、テープ(現在はCD,MDも)を聞きながら、英文を書いてみます。

 なるほど。

 吉田さんは、ラジオ・テレビ英語講座は、15分〜30分のものが多く、毎日わずかの時間を割くだけで、実力のほうは急速についてくる、と言われます。

 毎年、語学講座がスタートする4月になると、「今年こそは、語学を必ずマスターしよう」と決意を新たにした視聴者がテキストを求めて書店に殺到します。

 それが、5月、6月と日がたつにつれてテキストの売行きが減っていくそうです。

 途中で挫折する人がいかに多いかがわかります。

 吉田さんは、それは、自分は大学までやったから中級の力があるはずだ、高校までやったのだから大丈夫だなどとタカをくくって、スタートしてからガックリくる人が多いからだと言われます。

 テレビ・ラジオの学習では、幸いなことに他人の目を気にして見栄を張る必要はありません。

まずラジオで「基礎英語」「続基礎英語」という中学生用の番組で、文字通り基礎的な英語力をつけます。

 それからテレビに進み「高校英語講座」「英語会話I」という段階でグレードアップしていきます。

 このとき毎日放送されているラジオの「英語会話」「百万人の英語」を並行して聞くようにします。

 そして段階が高くなって「英語会話V・V」くらいの実力になれば、ラジオ
ラジオ・テレビの英語講座を利用します。

 テープ教材とラジオ講座が、英語修得の″直球″だとすれば、洋画を鑑賞することは″変化球″だそうです。

 アメリカ人は、すべて語学テープの通りに言うわけではありません。

 早口の人、巻き舌の人、かん高い声で話す人など様々な人がいます。

 吉田さんは、語学に慣れるために定期的に洋画を見に行くことにしていたそうです。

 映画館で洋画を2時間なり3時間見ることは、それだけ英語にどつぶりつかる環境をつくります。

 映画を見る前にできるだけシナリオを読み、ストーリーを大体頭の中にたたき込み、セリフもある程度記憶しておきます。

 そして映画館に入ります。

 はじめは字幕を見ながらセリフを聴きます。

 終わったらそのまま残って2回目を見ます。

 2回目のときは字幕を見ないで、画面の動きと耳からのセリフだけに頼ります。

 定期的に洋画を見るといっても、吉田さんの場合、ほとんどが土曜日の深夜映画であったそうです。

 翌日曜日は、流通業界では、かき入れ時だったので会社に直行しました。

 売上げを前年比130%以上伸ばすという離れ業も行なったそうです。

 そして奇跡は、ある日、突然やってきしまた。

 それは、場末の映画館でのこと。

 いつものように弁当を買い、奥さんに残業だと偽って映画館に飛び込みましただ。

 その前日、徹夜に近い開店売り出しの指揮をして、心身ともに疲れていたそうです。

 1時間はその疲労でどっと眠りに落ちていました。

 ふと耳のそばで声がします。

 それも、ハッキリと聴き取れるほどです。

 その感激を今、言葉で表わすことはできないそうです。

 さしづめ「ウソォー」「ホントー」の感覚です。

 涙が出ました。

 何度も何度も、ぬぐおうとしたけれども、涙が出てきます。

 でも、セリフのすべてが理解できたというわけではありません。

「やったあ」と冷たい弁当を食べながら、そうつぶやいたそうです。

 ビデオは生きた教材です。

 今では、もう深夜映画館にこもる必要はありません。

 やる気さえあれば、手頃な価格で、ホームビデオが手に入ります。

 また、音声多重TVもあります。

 これは、本物の英語を目と耳で臨場体験できる文明の武器です。

 なにより、冷たい弁当を食べなくてよいわけです。

 コーヒーでも飲みリラックスしながら、語学が学べます。

 二カ国語放送の洋画番組を録画して、休日など好きな映画をコマーシャル抜きで楽しめます。

 また、NHK英語会話講座、シェークスピア劇場等を録画して毎日見るのも、一つの方法です。

 頭が良いから語学を修得できるとか、語学には特別な才能がいるとか、こうした考えは、語学修得の迷信だと考えたほうがよいそうです。

 ビジネス同様、毎日の積み重ね学習よりほかに、語学を身近にする方法はありません。

 ビデオを英語学習の家庭教師にしましょう。

 吉田さんのお勧めのビデオです。

 市民ケーン

 間違えられた男

 欲望という名の電車

 冬のライオン

 赤い子馬

 黄色いリボン

 ヒッチコック物

 エリア・カザン物

 哀  愁

 第三の男

 二都物語

 ・・・・・

 実践に必要な英文法はいくつあるでしょうか。

 文法とは、てにをはの位置と語順の型です。

 今さら文法なんて必要ないといわれるかもしれません。

 しかしむずかしい高度の文法を学ぶのは間に合わないにしても、基本的な文法だけはぜひマスターしておくことが必要です。

 人間はまず生をうけて母国語を学びます。

 そして長い時間をかけて、母国語の決まりを習得します。

 だから、私たちにも日本語の決まりが無意識のうちにでき上がってしまっているのではないのでしょうか。

 英語と日本語では、この決まりがまったく違います。

 世界の言語でSVO(主語をS、動詞をX、目的語を0)型は、英語、ドイツ語、オランダ語、フランス語、中国語、スペイン語、ポルトガル語と、ほとんど共通した語順です。

 日本語、朝鮮語、ビルマ語と、一部が、SOV型なのです。

 それだけに、文法の学習は必要です。

 吉田さんは、苦手な文法を中学・高校の教科書から出直したそうです。

 文型は英語の門を開くカギです。

 中学・高校生の英文法の教科書といっても、受験勉強ではありません。

 吉田さんは、単語をどのように並べるかという「てにをは」をマスターするつもりで学んだそうです。

 英文法は、大きく分けて

・名詞・代名詞・形容詞・副詞・動詞などの語形変化を取り扱う部分

 と、

・動詞の用法などを中心にしたもの

 に分かれています。

 これを煩雑な文法用語まで覚えようとすると、かえって英語がむずかしくなります。

 ごく大まかなルールだけ覚えます。

 英文の理解に役立つかどうか考えます。

 吉田さんは、文法の練習問題や説明を抜きにして一覧表を作っておき、いつも手元に置いて必要があるたびに参考にしたそうです。

 英文を読むには、はじめに英文に一通り目を通して全体の雰囲気をつかむことが大切です。

 次に辞書にあたって、語いをよく調べ文脈に合うものを選ばなければならなりません。

 辞書に万一適当な訳語が出ていないと思うときには、文脈から考えて原文の語いに相当すると思われる日本語を考えなければなりません。

 実際は、スマートに英文を読めるものではありません。

 文脈は英語の実力のある人はつかめますが、それには基礎的な訳し方の修業が必要です

 吉田さんには基礎学力がなかったそうです。

 そこで、自分なりの方法を工夫して、文法も訳し方もわかる便利表を考えたそうです。

 創意と工夫が大切なようです。

 すべての英語力の基礎は単語の知識にあるといわれています。

 どうすれば単語を覚えられるのでしょうか。

 今から100年も前に、ドイツの心理学者・エビングハウスが、人間の記憶に関していろいろな実験をしたことがあるそうです。

 実験では、無意味な記号を何人かの人に覚え込ませて、それが時間の経過とともに、どのくらい保持され、また忘れ去られていくのか克明に記録してみました。

 その結果わかったことは、20分以内に急速に忘れていき、そのあと急速な落ち込みはない。

 2日後の時点でも30%の記憶保持率が示されました。

 人間は忘れるものです。

 どんなに正確にすべてを記憶していようと試みても、必ずそのうちのかなりの部分を短時間に忘れてしまいます。

 そこで、誰でもが試みる記憶力を高める方法が反復です。

 吉田さんは、英単語を覚えるのは、1日10分と決めたそうです。

 そして、10分以内に反復してそれを何回も繰り返すという、単純な方法をとったとのこと。

 英単語は、既成の単語集で一つ一つ覚えようとしてもうまくゆくものではありません。

 読書などの際に出てきた未知の語を自分で辞書を引き、書き写し、発音します。

 人間の持つ感覚器官を総動員してこそ、記憶に残るものです。

 しかし、サラリーマンである吉田さんには、常に時間の制約がありました。

 やみくもに、無秩序のままに単語を覚えるということを繰り返しているのならば、単調な暗記という行動のみに縛られてしまうことになります。

 ワンパターンによるアキや精神的弛緩が怖いです。

 偶然、吉田さんは外国人が日本語の新聞を読むための単語集を手に入れたそうです。

 これは、目先を変えながら学習するコツを教えてくれたそうです。

 外国人だって日本語を学んでいます。

 日本語の単語を覚えるのは、ほとんど名詞の羅列であったと分かったそうです。

 名詞こそ、真っ先に覚えることが必要です。

 吉田さんは、名詞を中心に1日8語ずつ自分に身近な単語から覚えていったそうです。

 接頭語の意味がわかっていると、知らない単語の意味でも想像がつきます。

 英語に親しめない大半の理由は、英単語の意味がわからないからです。

 inflation(インフレーション)という単語を分解すると、

 inは中へ

 flateは吹く

ですから

 空気を吹き込んでふくらますが原意です。

 このように接頭語で一つの単語を分解してみると、意外に簡単に意味がわかってしまうものが多いです。

 接頭語を味方にするとよいそうです。

 これで英単語は、がぜん面白くなります。

 英単語をたくさん知っている人は、ボキャブラリーが豊富だといいます。

 いいかえれば、ビジネスの世界でもコロシ文句が豊富になるということです。

 接頭語の仲間に接尾語もあります。

 これも接頭語と同じで、知らない単語がわかるようになります。

 例えば、serveは奉仕するで、antまたはentが語尾につくと、それは人であるからservantは従業員のことです。

 ほかにも、

 president〔preside・主宰する+ent〕=大統領

 descendant〔descend・降る+ant〕=子孫

 のように、単語を分解することができます。

 その他、単語を覚えるには、同義語・反対語で覚えたり、語句のかたまりで覚えたり、色々な方法があるそうです。

 吉田さんは、どの方法がベストな方法だとはいいません。

 ただ、記憶の差は意欲の差だそうです。

「どんなに記憶力が悪い人でも、同じことを一万回繰り返せば、必ず覚えられる。

 だが大部分の人はそれを千回で挫折する。」

とのことです。

 英語の環境にどつぶりつかり、文法を基礎から出直して、単語をいくら覚える努力をしても、最先端用語や新語・時事用語はあまりにも動きが激しいです。

 言葉は生き物であり、次々と作られては捨てられ、あるいは生き残り、日々これ変遷するものです。

 この点、英語も日本語もその例外ではありません。

 吉田さんは、新語を覚えるために英字新聞のスクラップブックを作って、インプットしたそうです。

 単語を覚え、洋画やラジオ講座が聴き取れるようになると、誰でも海外旅行に行ってみたいという欲求が起こってくるのでしょうか。

 吉田さんは、会社を退職し、友人と二人で渡米することにしたそうです。

 好奇心のなせるワザだったとのこと。

 しかし、この時点では、会話能力は、まったくゼロに近かったそうです。

 ・・・・・。

とにかく、やってみなはれ。

 吉田さんはそう言われます。

 執筆中に、苦しいときを思い出して、何度、原稿に涙したかわからないそうです。

 吉田さんの挑戦の歴史は自分の心の中のなまけの虫を排除し、自分の心の持ち方を革新してきた連続だったとのこと。

 その虫退治の一つが、「タイム」英語への挑戦だったようです。

 子供のときから虚弱体質だった吉田さんは、中学校は、多少とも優等生だったそうですが、高等学校に入ると体力的についていけなくなったとのこと。

 成績もぐんぐん落ちていきましたが、お父様は、体のことは注意するが、勉強のことは何もいわなかったそうです。

 すっかり落ち込み、成績はクラスの中以下に落ち込んでしまったとのこと。

 そのときの、剣道四段、柔道三段で東京の大学でモー勉強をしたお父様のお言葉。

「勉強というのは、十年単位でよい。それよりも、足腰を鍛えておけ。」

 おかげで、吉田さんは、人一倍、バイタリティーにあふれた人間になったそうです。

 自分がこうありたいと思っている、

 あるいは、こうだと思っているのに、

 現実はなかなかそうはいかないことがあります。

 そんなときに、私たちは強いショックを受けます。

 自分の予期しないことにぶつかったりするときも同様です。

 せっかく英語にチャレンジすると決心して始めても、どうもうまくいかない、意外にむずかしくて進まない、内容がむずかしくて歯が立たない、

 などということが、実際に、何度も、起こったそうです。

 しかし、肝心なのは、やるか、やらないかで、とにかく、やってみなはれです。

 これは、ビジネスと変わりはありません。

 なるほど。

 人間として弱点を持たない人はいません。

 問題は、自分の弱点と対決して克服していこうとする姿勢があるかどうかという心の挑戦です。

 多くの場合、人は本当の自分を認めようとしないものです。

 自分の弱点には、言い訳を用意します。

○学校を出ていないから、語学は苦手だ。

○仕事ができない。

○戦時中の教育を受けているので、語学は弱くてダメだ。

〇35歳、45歳になって今さら英語の勉強なんてとてもできない。

 書き出したらきりがありません。

 これらはすべて、自己の弱点に対して自己防衛をしているのです。

○学校を出ていない?実際は「学歴」より「実歴」です。

○戦時中の教育?戦前も戦後も、教育は「……こうである」と断定すべきではない。

〇35歳、45歳こそ、いま語学を覚えるチャンスではないか。

 本当に、そうですね。

 吉田さんが自分に課した試練は、マイナス的な言動よりプラスにしてゆく自己への啓発でした。

 集中力の散漫なものと強いものとでは、仕事の上ばかりでなくいろいろな点で差が出てきます。

 集中力は、精神を緊張させますがその割に人を疲れさせないものです。

 疲れたとしても、気分転換などで回復することができます。

 どんな状態のときに集中力がつかなかったか、吉田さんの場合です。

 一つは、自分のやっていることが何のためかわからない。

 二つは、自分のやっていることの目標がはっきりしない。

 三つは、自分のやっていることに興味を持てず意欲を持てない。

 このような状態のときには集中力が弱まり、計画を立てても十分な効果を上げることができない場合が多いようです。

 そこで吉田さんは、集中力の弱まる条件を検討しおのずから集中力を強化するように努めたそうです。

 一つは、自分のやっていることの意義を理解すること。

 二つは、自分のやっていることにハッキリとした目標を持つこと。

 三つは、興味を持つこと。

 以上、吉田さんは35歳から、″ゼロからの英語″に再挑戦してきました。

 それから、数年経過しました。

 相変わらず、1日20分くらいの自由時間しかない多忙な毎日が続いていたそうです。

 それでも、わずかな時間を作り出しては英語に挑戦しておられました。

 そして、新しくドイツ語に挑戦するつもりだったそうです。

 なぜ、そうまでして。

 吉田さんの世代は、日本経済の基礎を築き自由世界第2位のポジションに、何らかの形で参画、貢献してきました。

 しかし、私たちは好むと好まざるとにかかわらず、高齢社会に組み込まれていっています。

 こうした来るべき社会に対応するためにも自己に対する生涯教育を、いつか考えるときがきます。

 人生に生きがいを求めて、自分を創り出していきましょう。

 私たちはまだまだ伸びることができるのです。

 その通りですね。




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