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Love&Love英語でメキメキ!!上達コーナー


Love&Love英語でメキメキ上達!!
 

◆田村 康二氏の”英語がうまくなるギアシフト発想法 働くための英語”から

 田村さんは、いまは働くための英語が必要になったと言われます。

 求人面接に訪れる人に発せられる質問に次のようなものがあります。

 英語とパソコンはできますか?

 英語を使えますか?

 そして、小学校から英語を教えようとする機運が高まっています。

 でも我々は、長いこと英語を学んできたのにどうして上手くならないのでしょうか?

 語学に限らず、学習にははっきりした目的が必要です。

 英語の場合、いまや働くために必要というのが、切実な問題になってきたのです。

 働ける英語力を持っている人だけが英語の社会に働きに出かける時代は過ぎ去りました。

 いまや好むと好まざるとにかかわらず英語が向こうからやってくる時代になったのです。

 英語を話せなければ働けず食べていけない時代になったのです。

 本当にその通りではないでしょうか。


 英語学習の目的は生活して食べていくために学ぶことになってきました。

 なるほど。

 なぜ日本人は英語が下手なのでしょうか。

 英語にこれほど多くのエネルギーを注いできたのに、どうしてうまくならないのでしようか。

 アメリカに行けばホームレスでも流暢に英語をしやべります。

 英語は、誰にだってしゃべれるのです。

 田村さんは、答は簡単、ずばり、英語の学び方が悪いからですと言われます。

 まず英語の先生が悪いのです。

 英語を知らないのか、話せないのか、教え方を知らないか、何を教えるべきかを知らないかのどれか、あるいは全部でしょう。

 本当に必要なことを教えていないし、教えられない教育に問題があるのです。

 ほとんどの英語の先生は英語で働いた経験が不足しています。

 英語の勉強に出かけることはあっても、長期間、英語社会の仕組みにさらされた経験を持つ人はまれだと思います。

 これでは英語を専門家にまかせてはおけません。

 学ぶ側にも問題があります。

 学ぶ際には、ただねじりはちまきで汗をかけばよいというものではありません。

 学ぶ側にも創意工夫が必要です。

 それはどんなことでしょうか。

 英語下手の理由は、何が上手になるのに必要かを教えていないからです。

 そこで、日本語と英語の違いを学ぶことがまず大切だと言いたいとのこと。

 英語と日本語は言葉が違います。

 ということは、話すときの発想が違うということです。

 この違いをふまえて使い分けないと、きちんと通じる英語は話せません。

 このコツを田村さんは車の運転の際のギアシフトにたとえて、英語学習のギアシフト法と名づけています。

 日本語を話すときとマニュアルを変えなければ話せないくらい、英語は違う言葉なのです。

 日本語のギアを仮にバックとすると英語は前進くらい、両者の発想は違うのです。

 このコツを会得すれば、自由に英語を操れるようになるそうです。

 田村さんは、発音をギアシフトしようと言われます。

 英語は日本語に比べ、昔の数や種類が豊富です。

 英語には日本語にない音、例えばr、th、fなどがあります。

 また日本語は母音中心ですが、英語は子音中心の言葉なのです。

 次に、言葉をギアシフトしようと言われます。

 ひょっとしてあなたは、日本語のほとんどが外来語だということを知らないのではありませんか。

 英語から入ってきた外来語は実に多いのです。

 外来語で、英語本来の意味で使われている言葉と、そうでない言葉があることを覚えてください。

 そして、英語自体のギアシフトもあると言われます。

 言葉は生き物で、時代とともに変わります。

 英語の俗語は日本語の流行語のようなもので、どんどん変わっていきます。

 英語でも、言葉も意味も、どんどん変化しているのです。

 田村さんは、ギアシフト法で何を学ぶかについて次のように言われます。

1.英語を学ぶ目的を知る

 繰り返しになりますが、英語社会では意思を明確にし、きちんと発言できる人だけが尊敬を集められるのです。

 働くときに必要なのは、こうした尊敬や尊厳です。

2.英語と日本語の違いを知る

 それには、それぞれの文化の違いを知らなくてはなりません。

3.まず自分の意志を英語で伝える力を持つ

 まずここから始めましょう。

4.会話の心得を知る

 会話は相手と心を通わせることです。

 それには、相手がどんな人かを知ることが必要です。

 どうやったら相手のことを理解できるか、その方法を学びましょう。

5.丁寧な言い方や礼儀をわきまえた会話を身につける

 雑多な人たちが混在する英語社会だからこそ、礼節がより大切になります。

 人間は一人では生きられません。

 他人に頼るときの英語も身につける必要があります。

6.日常生活に必要なことを英語で言えるようにする

 英語社会では、はっきりとしたリクエストをしなければ暮らしていけません。

 田村さんは、ギアを入れられれば英語は話せるようになりますと言われます。

 知るべきことは、いかにギアをシフトすればいいかです。

 田村さんは英語の専門家ではありません。

 英語経験は、アメリヵの病院で働いた経験があるだけだそうです。

 日本人の英語下手は、皆が自他ともに認めるところです。

 それはなぜなのでしょうか。

 今日、驚くほど日本語が達者な外国人を多く見かけます。

 我々日本人だって同じ人間です。

 あなたにだって、3か月程度の学習で英語が十分に話せる能力があるはずなのです。

 しかしほとんどの日本人が、あれほど長い時間とエネルギーを使って学んできたのに英語が下手なのが現実です。

 これはいったい、なぜなのでしょうか。

 田村さんは、日本の教育は、何が目的でその目的にかなう人は誰であるかを考え学ぶ人にとつて何が必要かを考えて教え学んでいるのではないと言われます。

 教える側が一方的に都合のよい方向で教えているだけのようです。

 日本人の多くが、あれほどのエネルギーと時間を費やしても英語上手にならないのは、我が国の教育の欠陥を象徴的に表しているそうです。

 なるほど。

 英語下手なのは、学び方と教え方が悪いからです。

 明治の時代、渡英した英文学の大家・夏目漱石がロンドンで自らの英語に自信を失ってしまったのは有名な詰です。

 現在の多くの英語教師もこれと同じようです。

 英語力が十分でない人が、話せるための英語を教えられるはずがありません。

 学ぶ側も学習法の創意工夫が足りません。

 英語の先生についたり、語学の学校に通えば上手になるなら、こんな簡単なことはありません。

 そもそも学習は、自分で工夫してするものです。

 先生が悪いと言ったところで始まりません。

 そこで、素人で専門外の田村さんが英語を学ぶ際に行った方法を参考にしてほしいということです。

 ・・・・・

 田村さんは、どうやって英語に自信をつけたのでしょうか。

 英語を学ぶ気になったのは、医科大学に入学したころ、医学の世界でもアメリカ医学がようやく輸入され始め、各種の本も手に入るようになりました。

 そして、何も知らない学生の身ですら日米の医学レベルの差にがくぜんとしたそうです。

 それならアメリカで働いて医学を学ぼうと思い、英語を自習しようと考えたとのこと。

 そこで偶然出会った本がシュリーマンの自伝で、語学自習法に感心したそうです。

 シュリーマンの英語独習法は次のように書かれています。

 「1週間英語の専門家を雇って英語と独語の違いを教えてもらい、その後は自習した。

 その方法は簡単なもので、まず次のようなことをするのだ。

 大きな声でたくさん音読すること、ちょっとした翻訳をすること、毎日1剛ま授業を受けること、興味のある対象について常に作文を書くこと、そしてそれを先生の指導で訂正すること、前の日に直した文章を暗記して、次回の授業で暗唱すること」

 田村さんはこの方法を真似ました。

 文章は熟読し少々わからなくとも大声で繰り返し読んでいるうちに、理解できるようになりました。

 なるほど。

 田村さんは、シュリーマンの語学学習法に感激してそのやり方を懸命に実践されたそうです。

 大学1年生のとき、英文学の先生にアメリカ文学の優れた代表的な本を教えてもらいました。

 教えていただいたのは、

 H・メルヴイルの『MobyDick』(=自鯨)だったとのこと。

 これを繰り返し音読し可能なかぎり暗記しました。

 この英語が今日何よりも役立っていると言っておられます。

 文学書、探偵小説、伝記など、何でもいいと思います。

 自分が気に入った一冊を選び、丸ごと覚える。

 大切なのは、とにかく長文を覚えることです。

 短文や単語を覚えただけでは実用に役立ちません。

 英語の詩、歌、決まり文句、名文などを暗記するのもいいでしょう。

 必ず役立ちます。

 よく、英語は読めるけど話すのは苦手だという人がいます。

 田村さんは、注意してみると苦手な人は英語が読めていないのだと言われます。

 話す場合でも単語は言えても長文が話せないのです。

 つまり英語はできないということで、苦しい弁解をしているにすぎません。

 英文に慣れることが英語の上達法です。

 田村さんの場合、自習した英語が基礎にあったからこそアメリカの病院で働くことができたのだと思っておられます。

 英語で問われるのは達者な語学力ではなく、語る言葉の内容なのです。

 講演するときも、内容さえよければ、つたない英語でも耳を傾けてくれると言われます。

 日本語訛りの英語だろうが少しも問題にはなりませんでした。

 大切なのは語る内容なのです。

 よそからやってきた日本人が、ネイティブのアメリカ人のように流暢に英語を話せるわけがないのです。

 しかし、英語の現場で働く場合、伝えたい内容をしっかり伝えられ、受け取るべき相手の意志が十分に確認できることが重要です。

 それが会話なのです。

 田村さんは、旅行英語だけでは不十分だと言われます。

 英語に限らず、学習をする場合は明確な目的を持つことが大切です。

 昔から、好きこそ物の上手なれと言います。

 英米文化への憧れは語学学習の目的の一つです。

 でも、『ワシントンポスト』紙は、米国国家の収入の主な源はハイテク商品、農産物、薬品等ではなく、米国文化だと記述しています。

 ハリウッド映画、デイズニーランド、ジャズ、マクドナルドのハンバーガー、ジーンズやスニーカーなどです。

 これらの商品のもたらした文化は、単なる商品として以上に我が国の文化の中に深く浸透しています。

 英語を学ぶ場合でも、ブランド品を創った人たちを理解することこそが大切になってきます。

 そうすることが、日本人も世界に通用するブランドを数多く生み出せることにつながるのではないでしょうか。

 なるほど。

 田村さんは、日本語はバック、英語はフォアだと言われます。

 英語が上手になる方法を車のギアに似せて説明しています。

 英語をギアはフォア=前進、日本語はバック=後退にしたそうです。

 これくらい日本語と英語は違っています。

 両国語の違いをはっきり理解して車のギアシフトをするように両国語を自由に、しかもパッと切り替えられるようになってほしいと言われます。

 また、英語はあたかも数列のように文法と熟語の順列や組合せで成り立っているから、それを知れば上手になるとの意見があります、

 それは間違っているとお考えです。

 英語は単なる言葉や単語の組合せではなく、それを話す人たちの意識や文化が凝縮されたものだからです。

 それを知らずに英語を駆使することはできません。

 もう少し具体的な意味を知りたいですね。

 田村さんは、英語のギアを上げる方法を説明しておられます。

 まず、ギアをファーストにする方法です。

 英語の社会のドアをノックします。

 叩けば自然に門は開いて、あなたを喜んで招き入れてくれます。

 まず意思表示ができ、働くのに必要な英語が話せるようになることです。

 次に、ギアをセカンドにする方法です。

 自分の意識を開放して、開かれた英語の門からどんどん中に入っていきましょう。

 ゆっくり、落ち着いて、よく考えて話せるようになることです。

 このときに重視するのは、単なる会話集やこう話せばよいということではなく、こう話せばより歓迎されるという会話例です。

 そして、ギアをサードにする方法です。

 これまでも日本人は外国で働いたり国内の外資系の会社で働くのに英語が必要でした。

 しかし今日では、英語が日本の社会にやってきています。

 職場だけでなく、宴会場やお茶の間にもやってくる時代となっています。

 なまじの英語力では対応できません。

 英語が自らやってきた場合に応じられる学習法が必要になっています。

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 たしかに、そうではないかと思います。

 田村さんは、英語上達の原則1として、英語学習の目的・目標を自分で決めることを挙げておられます。

 英語ができなければ出世できない時代です。

 職場や家庭に英語がやってくるようになって、英語ブームが過熱しています。

 本当に英語ができると必ず成功するのでしょうか?

 けっしてそんなことはないと思います。

 英語ができることは確かに有利ですが、成功には好運や実力こそが大事です。

 嘘っぼいことを流暢な英語で言えたとしても、意味のない言葉では誰も耳を傾けません。

 しかし、英語ができなきゃ出世もできないことは現実問題になってきました。

 出世するためにあわてて英語能力を高めようとする人もいれば、能力に見切りをつけて出世をあきらめる人も出ています。

 英語ができることが出世の条件とされ、青い顔をして英語の本に取り組んでいる人が増えています。

 いまや生活そのものに、英語能力が大きく関わる時代になりました。

 英語ができれば出世ができるということになれば、目的がはっきりしていいかもしれません。

 出世はするか否かは、あくまでも結果でしょう。

 田村さんは、当面の目標が出世のための英語学習であってもいいですが、最終的な目的は、英語を通して人々との理解を広げることだと考えてほしいと言われます。

 田村さんは、英語上達の原則の2として、先生はいらない、自習で英語は学べるをあげておられます。

 遠隔学習がより一般的になってきています。

 考えてもみてください。

 単に知識を伝える、切り売りする、情報を伝えるだけの教師は、インターネットで誰もが自由に情報を手にすることができる時代には必要がなくなってくるのです。

 教育システムも変わっていきます。

 学習とは、もともと自分で学ぶものです。

 いまや英語の学習情報は、あらゆるメディアを通じて手に入ります。

 これを活用して自ら学べばいいのです。

 英語の先生についたり英会話の教室へ通って、汗水たらして、つまり体を動かすことだけで英語上手になれるのなら、こんな簡単なことはありません。

 しかし、そうはならないのが現実です。

 それならば、自ら創意・工夫を廃らして自学・自習するしかありません。

 文法的に正しいか否かではなく、意思がうまく相手に伝わるかどうかが大切なのです。

 頭の中でまず日本語で考え、それをいちいち英訳して話すことに根本的な誤りがあります。

 英語は、脳を英語にギアシフトをしておかないと、話せないのです。

 田村さんは、英語上達の原則の3として、全身を使って朗読・暗唱・素読・身振りで行うことを挙げておられます。

 論語の素読、朗読、暗唱は、日本の寺子屋教育から戦後教育までの基本でした。

 子日く、学びて時に之れを習う、亦た説ばしからずや。

 朋あり遠方より・来たる、亦た楽しからずや。

 人知らずして慣らず、亦た君子ならずや。

 学問をしてその学んだことを機会あるごとに復習し練習していけば、その学んだものが真のわが知識となって身につく。

 それはなんと喜ばしいことではあるまいか。

 また自分の身がおさまれば自然同志の者もできよう,共鳴者もできよう。

 そして、それらの人々が遠方からやって来るとせば、これはまた楽しいことではあるまいか。

 しかし人生は必ずしも常に平々たる順路のみではない。

 たとえ自分が立派でも、世間が全部これを認めるとは限らない。

 ときにかえって誤解し、曲解することもないではない。

 そのような場合にも、もしその人が分を知り命に安んじて、天をもうらまず人をもとがめず、信ずるところに向かって行動するとすれば、それこそまことに、成徳の君子人といってよかろうと思う。

 繰り返します。

 英語は素読、朗読、暗唱、身振りで学ぶのが上達への近道です。

 田村さんは、英語上達の原則の4として、日本文化を知る人だけが英語がうまくなると言われます。

 相手の名前をぶしつけに聞こうものなら相手は怒ります。

 訊問もどきの聞き方は日本はもちろん、外国でも許されません。

 人に名前を尋ねるには失礼のないようにうかがわなければなりません。

 英語には敬語そのものはありませんが、丁寧語はあります。

 注意してください。

 日本語が不十分な人は英語はうまくなりません。

 日本語がたどたどしく首尾一貫性のない話し方をする人が、英語をしゃべったらたちまち流暢に自分の意志を表現できるでしょうか。

 けっしてそんなことはないでしょう。

 英語を学習する以前に、母国語であり育ってきた日本文化を十分に学習しておくことが必要です。

 日本人でありながら日本語と日本文化に誇りを持たない人は、けっして英語は上手になりません。

 日本人が英語を話すとき、その思考の基本となる言語はやはり日本語です。

 なるほど。

 田村さんは、英語上達の原則の5として、長文小説を楽しんで読もうと言われます。

 受験英語で受けた傷を治すためです。

 シェリーマンの語学の学習方式に感激した田村さんは、大学1年生のときの担任で英文学の教授に

「アメリカ文学で優れている代表的な本は何ですか?」

と尋ねたそうです。

 そのとき教えていただいたのは

「MobyDick」

だったとのことでした。

 繰り返し音読し、可能な限り暗記したそうです。

 この英語が今日何よりも役立っているとのことです。

 文学書、探偵小説、伝記など、好みに応じて、一冊丸ごと覚えることです。

 長文を覚えてください。

 英語の詩、歌、決まり文句、名文などを暗記するのも大切です。

 必ず役立ちます。

 短文や単語だけの記憶は実用に役立ちません。

 長文に憤れることが英語の上達法です。

 なるほど。

 田村さんは、英語上達の原則の6として、学校教育によって生じた側頭葉の歪みを治そうと言われます。

 言葉を覚えても実際に話すことができないのは、医学的に言うと二つの問題点があるからです。

 1つは発語器官の障害、残る1つは聴覚器官に障害がある場合です。

 言葉を発することができないのは、言葉を出す発語経路のどこかに障害があるためです。

 発語障害を大きく分けると、言菜を発せられない、つまり言葉を伝えることができないか、言うべき言葉がわからないかに分けられます。

 これらをまとめて、失語症と言っています。

 英語が話せないのは後者です。

 言うべき言葉がわからないのです。

 ここで大事なことは、言語中枢大脳皮質の側頭部にある感覚言語の中枢、つまり言葉を理解する中枢と、もう一つは言葉を発する運動中枢、つまり皮質性運動言語中枢の2つの障害が失語症の原因になっています。

 これらはいずれも大脳側頭葉にあります。

 いまの学校教育による前頭葉への詰め込み主義の結果、側頭葉が異常に歪んでしまって、その結果大事な前頭葉の成長を抑えてしまっているそうです。

 英語の話す、聞く、読む、書くという力は相互に関わっていて、どれか1つだけ勉強していけばいいというわけではありません。

 4つを同時に総合的に勉強しなければ英語上手にはなれないのです。

 それに加えて、単に英語をペラペラ話すだけではなく、話す内容がもっと大切なのです。

 なるほど。

 田村さんは、英語上達の原則の7として、英語と英語文化のリズムを身体で覚えることをあげておられます。

 英語のリズム、つまりアクセントやイントネーションなどは日本語のそれとはまったく違います。

 英語のリズムの一つの代表はジャズです。

 ジャズの音楽のリズは英語のリズムそのものです。

 クラツシックの音楽も英語の文化だけがつくったわけではありませんが、語源的にインド・ヨーロッパ言語に共通しているリズムでクラッシックはできているそうです。

 ところが、日本語は母音の多い言語で、しかも母音で音が一つ一つ切れる言葉のリズムです。

 このようなリズムは主として大脳の左半分で理解されるのに対して、西洋音楽のような子音の多い流れるような音楽は右脳で理解されると考えられているそうです。

 したがって、日・英語は各々脳の働く場所も違うし、言葉のリズムの違うのです。

 だから英語はリズムとして体で覚えてしまうことが大事なのです。

 それには、ジャズやクラッシック音楽を聞いてそのリズム感を体で理解することです。

 それが英語をリズムカルに話すときに、きわめて大事な点となるそうです。

 なるほど。

 田村さんは、英語上達の原則の8として、ネアカ、積極性、楽天性が英語力を上げると言われます。

 英語の社会で働いていた時代、朝会うと皆

“Hi! Howdy!”

と声を掛け合っていたそうです。

 このように気軽にかける言葉は日本語にはありません。

 でも、これができない日本人はその社会に入っていけません。

 アメリカ社会に難なく入っていける日本人といけない人では、行動様式は明らかに違います。

 英語の社会では、ネアカ、積極性、楽天性の態度を持ち、集中力、パウーにあふれた行動を身につけていることが大切です。

 アメリカ社会では、日本の社会で相当にネアカとされる人ですら、その範疇からもれてしまうのが普通だそうです。

 雑多な宗教や民族が一体となってつくり上げている社会では、互いに協力し合って物事をつくり上げていこうという態度がなければ受け入れてもらえないためです。

 ネクラ、集中できぬ人、消極的で悲観的な人は、英語社会には受け入れてもらえません。

 また、集中力やパワーが求められているのが英語社会です。

 そのためには何に対しても積極的でなければなりません。

 消極的だと失敗します。

 さらに楽天的な態度も求められます。

 こうした行動様式を持つことが、英語の社会に入って成功できる条件だということです。

 なるほど。

 田村さんは、英語上達の原則の9として、英語を母国語とする人と会話を楽しむことをあげておられます。

 沈黙は金というのは、いまの英語社会では適用しません。

 雄弁であることの人の能力はギリシア時代からいつも高く評価されています。

 しかし古来から巧言令色を口にする人には仁少なしとも言われています。

 これはいまも東西に通用する格言です。

 ペラペラと英語を話せることが大切なのではなく、話す内容が問題なのです。

 自我の確立が個人の大切な条件である英語社会では、話す内容が実りあることが望まれています。

 内容さえあれば相手も話に耳を傾けてくれて会話ができるようになります。

 英語の社会は会社や病院などの組織は、あくまでも目的集団なのです。

 だから組織内での会話は目的に適うことが中心となり、ビジネスと無関係な会話は互いにありません。

 アメリカで朝会うと "Good morning."という挨拶が普通ですが、ニューヨークではそれすら言いません。

 挨拶抜きでビジネスのことから始まります。

 自分にとってプラスとなる何かを吸収し、相手に何かプラスを与えるというのが会話の原則です。

 つまり相手にプラスになるものを与えられるか、それを持っているかが大切なのです。

 相手にプラスとなる情報を提供すれば、こちらのプラスになる情報を返してよこすのが、アングロサクソン流商いの原則です。

 なるほど。

 田村さんは、英語上達の原則の10として、脳をギアシフトすることをあげておられます。

 日本語・英語の違いを知ることです。

 英語は前進、日本語は後退と、車のギアシフトのように学びます。

 脳をこうシフトできれば英語上手です。

 日本語と英語は似てもいますし、もどきもあります。

 日本語の会話では多くの英語をカタカナにして日常生活で使っています。

 日本語による日本文化を考えるときには、カタカナは必要のある語に留めるべきでしょう。

 日本語と英語でまず違うのは丁寧語の用い方です。

 日本語は相手をみて、驚くほど巧妙に言葉を使い分けています。

 敬語があるのは日本語の美点だとする人もいます。

 しかし裏を返せば、日本語は差別的だと言えるのです。

 この点にほとんどの日本人が気づいていません。

 民主主義の国から来た人には、この差別語の使い方が難しいのです。

 だから逆に差別のない英語は話しやすいのです。

 なるほど。




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