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Love&Love英語でメキメキ!!上達コーナー


Love&Love英語でメキメキ上達!!
 

◆長谷川滋利氏の”僕の英語勉強法”から

 長谷川滋利さんは、1968年1月、兵庫県生まれ、右投右打で、背番号17(オリックス)→21(エンゼルス)→17(マリナーズ)で活躍しました。

 東洋大姫路高校で甲子園に3度出場、立命館大学時代はエースとして通算40勝を挙げ、1991年にドラフト1位でオリックスに入団しました。

 日本では先発投手、大リーグではセットアッパーとして、日米通算15年で102勝89敗37S、防御率3.49をあげ、共に不動の地位を築いた名投手です。

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 長谷川さんは、英語の勉強はとにかく聞くことから始めようと思ったそうです。

 英語の勉強も、他の物事と同様、自分に何か足りないかに気づくことから始まります。

 長谷川さんは、

 Where are you staying?

 が聞き取れなかったショックが、まずは聞くことから始めるというモチベーションにつながったといいます。

 ヒアリングの能力が、アメリカで暮らしていくのにネックになると思ったからです。

 日本に住んでいても、ヒアリングに関しては、教材には十分恵まれています。

 そこで、まずは手当たり次第に、教材とメディアを利用しようと考えました。

 英語をマスターしようとしている日本人にとって最も重要なのは、ヒアリングだということです。

 長谷川さんは、アメリカに渡ってからの経験で、ヒアリングができれば、どんな状況でもビビらないことが分かったからです。

 相手が言っていることの概要をつかめれば、不安になる必要がなくなり、自分に自信が持てます。

 練習の時に、練習メニューの説明があったとして、どんな説明があったか分からないと、チームメイトの動きを見ない限り、次の段階に進めません。

 大きな支障はありませんが、どうしてもワンテンポ遅れてしまいます。

 このムダがもったいないのです。

 つまり、ヒアリングは自分の自信に大きくつながるのです。

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 長谷川さんは、何とかして歌詞を聞き取ろうという意識を持てば英語が耳に入ってくるようになる、と言われます。

 長谷川さんが最初にしたことは、CNNを家で見られるようにすることだったそうです。

 現在は日本でも、手軽にしかも安価でCNNをはじめとした放送が見られるようになりました。

 しかし、当時は、ホテルなどでは見られましたが、一般家庭への普及はまだ進んでいませんでした。

 野球選手は午前中などは自由に時間を使うことが可能ですので、長谷川さんは家にいる間はCNNをつけっぱなしにしていたとのことです。

 それは、自然に英語が耳に入る状況を作りたかったためでした。

 しかし、CNNを見るのはちょっとレベルが高かったかな、と後から思ったそうです。

 内容はニュースがほとんどで、高級すぎるから飽きてしまうこともあります。

 まずは、自分の興味があるものを英語で聞くのが一番だということです。

 今では、日本にいなからにしてメジャーリーグのゲームがシーズン中は毎日見られます。

 音楽が好きであれば、ミュージック・テレビで聞いて英語の歌詞に耳を傾けます。

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 長谷川さんは、CNNを見始めたからといって、すぐに英語が上達するわけではないと言われます。

 耳に入ってくるようにしても、聞き収れるようになるにはコツが必要です。

 日本人がヒアリングが苦手なのは、どうも教室で習う正しい英語のせいではないかと言われます。

 何々がしたい、と言うとき、

 I want to 〜.

と言います。

 きっちり勉強したことがある人ならば、

 I would like to 〜.

と言うかもしれません。

 しかし、日常の会話の中でこのふたつの言い回しを聞くことは稀です。

 では、どう言うのでしょうか?

 I wanna 〜.

これで十分なのです。

 もしアイスティが飲みたいのであれば、

 I wannna drink ice tea.

と言うのが普通です。

 アメリカではwannaのような省略形の言い回しが常に使われています。

 こうした気軽な言い回しは、日本の受験英語では絶対に勉強できません。

 聞いたことがないと、判別するのがむずかしいのです。

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 長谷川さんは、当時使ったおすすめの教材・テキストをあげておられます。

・「ヒアリングマラソン」(アルク)

 まずはこれがオススメとのことです。

 入門コース、初級コース、そして1000時間コースがあります。

 決して安くはありませんが、投資を惜しむと後で効果が違ってくるそうです。

 英語の学習で必要なのはお金と時間であり、ふたつの投資を惜しまないことが重要だということです。

 その投資の元を取るのは、自分です。

 投資したからには、必死で勉強するしかありません。

 投資を有益にする方法はひとつ、自分で頑張ることです。

 だからこそ、いい教材ならば高くても手入れるべきだと言われます。

 ヒアリングマラソンのいいところは、常に新しい話題を教材に取り入れていて、話題が新鮮で面白い点です。

 ニュース、映画、インタビューなどの生の英語素材が入門編から頻繁に出てきますので、耳慣らしをするには最も適した教材です。

 注意点がひとつ。

 ヒアリングマラソンにはテストが含まれていますが、これは無視した方がいいと言われます。

 テストだけを受けるサラリーマンの人が少なからずいるそうですが、テストの時だけヒアリングマラソンを聞くのでは、何のための教材か分からなくなってしまいます。

 それならばはじめからテストは無視して自分のペースで勉強を進めた方が、上達は早いはずである。

 ただし、毎月のテストがリズムを作ってくれるのであれば、大いに活用した方がよいとも言われます。

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・NHKラジオ「英会話」「ビジネス英語」

 テキストは全国どこの書店でも手に入りますし、思いたった日にすぐに始められます。

 長谷川さんは、放送時間には仕事の関係で聞くことができなかったため、カセットを有効活用したそうです。

 カセットは、2001年からは音声教材がCDになりました。

 放送内容は日常会話が中心で、テキストの中には口語のものからしっかりした文法のものまであり、覚えてしまうと使い勝がいい表現が集まっています。

 ただし、あまり急に始めてしまうと、反動が出てしまうのが人間です。

 NHKのテキストを上手に使うコツは、とにかく継続することです。

 根を詰めてやりすぎて、三日坊主になってしまっては何の意味もありません。

 ムリをしないこと、そして、楽しむことが必要です。

 短時間に集中して聞き、テキストとにらめっこして覚えようとはせず、まず英語を浴びるように聞くことに務めましょう。

 長谷川さんは、大阪から東京までの新幹線の中や、ホテルから球場ヘバスで移動する時などに、ヘッドホンで英語を聞くようにしていたそうです。

 自分の夢の実現のためには時間を有効に使って、上達の道を進むべきです。

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 長谷川さんは、基本的な表現を文法で覚えて使うことを勧めておられます。

 文法に取り組むと、飛躍的にスピーキング能力が向上します。

 文法というといかめしく感じてしまいますが、決まりきった言い回しと考えることができます。

 覚えてしまえば簡単だし、これほど便利なものはありません。

 英語を勉強する上でヒアリングを最も重視していたそうですが、同時に、基本的な表現を覚えるようにしたそうです。

 外国人が英語を覚えるには、

 「ヒアリング」

 「文法」

 「スピーキング」

 「リーディング」

の4つのパートがバランスよく成長していくことが大切だということです。

 4つのパートに関しては、重要度も書いた順番と同じです。

 あるパートの能力が向上すれば、それにつられて他の部分も緩やかに向上します。

 長谷川さんは、英語の言い回しには日常の会話で使う基本となるものがひとつあって、そのバリエーションが10個ほどあると思えばいいといわれます。

 例えば、

 Can you 〜?

という依頼をする表現があります。

 丁寧な表現は、

 Could you 〜?

です。

 まず基本となる衣現を覚えてしまえば聞き取れるし、意思を伝えることができるようになります。

 それをより正確に伝えるために、他の言い回しを覚えていくという作業が続くのです。

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 長谷川さんは、英語がうまくなるには段階があると言われます。

 アメリカに住んで5年経ち、チームメイトとの会話にも不自由することはなくなりました。

 ただ、長谷川さんは、英語を話せるようになったという表現は使いたくないそうです。

 正確には、英語を話すようになったという気持ちだとのことです。

 話せるという表現には、自分の理想にかなり近いレベルで英語が話せる、というイメージがあるからです。

 それよりも、英語圏で生活し仕事をしていくにつれて、英語を使い自然な形で話すようになった、ということのようです。

 英語を話すようになるにはテクニックも必要ですが、メンタル的にも英語がうまくなる方法があると言われます。

 語学を勉強していく上でスランプや好調の時が必ず訪れますが、英語が上達するプロセスには段階があります。

 まず、

・聞き取れない、話せない

という段階があります。

 相手の言っていることが聞き取れないのに、ニヤニヤ笑っていたりします。

 100%理解していないのに、うなずいたり相槌を打ったりする状態が続いていました。

 でも、この段階にある自分を恥ずかしがる必要はない、と言われます。

 このステップは、成長のためには必要な段階なのです。

 重要なのは、分からないからといってへこまずに勉強を続けることです。

 できないことをモチペーションに変えて、英語が上達するための最良の方法を探りながら英語に接する努力をすることが大切です。

 そうすれば、ある日突然、次の段階に進んでいる自分がいることに気付きます。

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 長谷川さんは、英語がうまくなるには段階があると言われます。

・聞き取れない話せない段階から、日本語で考えてからしゃべる段階へ

 英語に接する環境に慣れてくると、勉強が生きてくるようになります。

 相手の話していることの断片が聞き取れるようになり、意味の分からない単語が聞き取れるようになります。

 ただし、話す方は、日本語で考えてから自分なりに英語に変換し翻訳しながら話す段階です。

 自分の頭の中で翻訳しているタイムラグがありますので、たどたどしい英語という印象になってしまいます。

 この段階でも、外国人とはそれなりに話せるようになりますが、ネイティブースピーカーを説得するまでには至りません。

 相手と対等に話せるようになるのは、次のステップです。

 もし、日本語で考えているなと自分で気づいたら、英語で考えるような環境作りを積極的にしていくことです。

 自分に対してもう少しでできると言い聞かせて、英語で物事を考えるように気持ちをコントロールしていきます。

 この段階で、より英語を浴びる環境を作ることができれば、次のステップヘの到達は早いです。

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 長谷川さんは、英語がうまくなるには段階があると言われます。

・日本語で考えてからしゃべる段階から、英語で直接考える段階へ

 日本語で考えてからしゃべる段階から英語で直接考える段階に進む間には、かなり高い壁があります。

 しかし、単語、文法をしっかりと頭に叩き込めば、相手の言葉に対してすぐに英語で反応できるようになります。

 学校の英語の勉強と違って、英語で話すことには点数のような目印がありません。

 英語で話すことのむずかしさは、ハッキリした指標がないからちょっとしたことで気持ちがへこんでしまったりすることなどにあります。

 ポイントは、日本語をまったく使わず英語でダイレクトに考えるようになる状態を作ることです。

 英語で考える能力がつく頃には、相手の話すこともかなり聞き取れるようになっています。

 分からない単語が出てきても、前後関係から推測して相手の伝えたいことがかなり分かるようになっています。

 ゆえに、英語を話すということを目標にするべきではなく、英語で考えることができるようになるのを目指すべきだと思います。

 つまり、オーラルートレーニングではなく、頭の中を鍛えていくのが英語を勉強する上で重要なのではないでしょうか。

 そして、この段階まで到達したのなら、自分の能力にある程度は自信を持つべきです。

 自信は自分を更に向上させてくれるからですが、同時に、常に次の段階を目指すという志を忘れないことが肝心です。

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 長谷川さんは、アメリカに住んでも英語ができるようになるとは限らないと言われます。

 渡米の形態はさまざまなパターンがありますが、アメリカに来たからといって英語ができるようになるとは限りません。

 日本にいる外国人について考えてみると、すべてが日本語ができるようになって母国に帰るわけではありません。

 それと一緒です。

 アメリカという国のイメージには、夢の実現ということがありますので、アメリカに行くだけで英語ができるようになるという幻想ができています。

 自分の気持ちを冷静に見つめることが大切です。

 英語を話すようになるにはモチペーションが必要ですし、勉強をしなければなりません。

 そのための環境も重要になってきます。

 アメリカに来ただけでは、その環境が整ったことにはなりません。

 たとえば、カリフォルニア州は日本人のコミュニティが発達していますし、留学生も多いので、よっぽどモチペーションを高めないと、日本語で話し、考える環境
が出来てしまいます。

 そうなると、英語を勉強することが目的だとしても、上達は遅れてしまいます。

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 長谷川さんは、家族で渡米してもやはり英語の上達には差があるそうだと言われます。

 英語の上達が早いのは、アメリカに骨を埋める覚悟で来た家庭です。

 この家族は、例外なく、家族のメンバー全員の上達が早いそうです。

 しかし、派遣期間が決まっている家族の場合、数年先の日本に帰ってからの生活が想像できますので、子供も現地の学校ではなく、日本人学校に通わせる傾向が強いそうです。

 この家族は、一般的に、アメリカに骨を埋める覚悟で来た家庭より上達が遅いようです。

 どちらのパターンがいいというわけでありませんが、モチベーションがいかに英
語の上達に重要な役割を果たすかということです。

 何年もアメリカに住むという気持ちがあれば、必死になって勉強するから上達が早いのだと思います。

 つまり、必要が成長を生むのです。

 自分にできることは、いかに必要な環境を作るかということです。

 海外での生活経験がなくても、日本で勉強して英語が話せるようになった人もいます。

 やはり、モチベーションを持ち続けることが重要なのです。

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 長谷川さんは、自分の英語力にはまだ弱点があると言われます。

 その弱点を大きく分けると、次のふたつになるということです。

・ヒアリング

・用語、スラング

 このふたつは関連しているといえるかもしれません。

 スラングが分からないことで、ヒアリングに影響を及ぼしていると思うときもあります。

 ヒアリングについていえば、ニュースなど多くの人にはっきりと伝えることを目的としている英語は聞き取ることができます。

 分からないのは、ネイティブ同士の日常会話です。

 名詞を省略したり、テレビドラマをもとにした比喩などが出てきますので、日本人が完璧に理解するのはむずかしいのです。

 しかし、長谷川さんは、このハードルを克服する方法は見えていると言われます。

 とにかくアメリカ人の会話を徹底的に聞くことです。

 それには映画が恰好の教材になります。

 SFXなどを使っていない映画を選び、会話の持つリズムや呼吸を感じるようにします。

 特殊効果に頼った映画は、やはり出てくる会話も理解しやすいようです。

 そして、その後に、映画のスクリーンプレイを読んで、会社の同僚がどんな会話を交わすのか、あるいは恋人同士がどんな言葉を使って会話しているのか、シーンを思い出しなが覚えます。

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 長谷川さんは、最終的には英語の小咄が分かるようになるのが理想形だと言われます。

 いろいろな方法を重ねていきますが、理想に近づくためには勉強方法も試行錯誤を重ねていくことでしょう。

 アメリカでは平日の夜11時30分から、

・NBCでジェイ・レノの「トゥナイトーショー」

・CBSでデイビッド・レターマンの「ザ・レイト・ショー」

という一種の漫談とトークショーを合体させたような番組があります。

 いずれも人気を博していますが、トークショーのホストの小咄や漫談を理解するのは本当にむずかしいとのことです。

 スタジオで見学しているアメリカ人はゲラゲラ笑っていますが、テレビの前の自分は何で笑っているか分からない状態だそうです。

 こうした笑いを理解するには、英語の知識だけでなくアメリカ社会への理解が相当深くならなければなりません。

 現状は、分からないのに笑ってみせるというくらいで、ちょうどアメリカに来た時と同じような状態だそうです。

 次回から、長谷川式英語上達のための10か条をご紹介していきます。

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 長谷川さんは、長谷川式英語上達のための10か条をあげておられます。

 その1: 覚えた単語をその日に使う

 家で勉強して覚えた単語や熟語は、できればその日のうちに使って頭の中に定着させてしまうのが望ましいと思います。

 でも、すぐにそのチャンスがないときもあります。

 そこで、2、3日、は頭の中で時々「転がしておく」と、必ずピッタリのシチュエーションがやって来るものです。

 これは不思議な現象です。

 覚えたての単語や熟語が、その言い回しが使われる機会を求めているのでしょうか。

 それとも、自然とそういうチャンスが巡ってくるのでしょうか。

 どちらかは分かりません。

 しかし、自分が努力していれば、定着率は飛躍的に伸びるものです。

 外国人と話すチャンスがなければ、街で見た風景を英語を使って考えてみるとよいでしょう。

 いつでもどこでもできるトレーニングです。

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 その2: しゃべれない人は格好をつけない

 自分の英語の実力を、謙虚に分析してみましょう。

 英語には、自分の実力に見合った勉強方法があります。

 できないのに”できる”と周りに言ってみたところで、後で痛い目にあうだけです。

 英語の勉強に取り組むという人は、それなりにモチベーションもあり、英語の能力が必要とされるわけですから、社会的にそれなりのポジションを持っている人ではないでしょうか。

 だからこそ、自分のプライドが上達を妨げる場合があります。

 英語が話せない人が、それを認めない限り勉強はスタートできません。

 自分は話せない、あるいは、このレベルだと分析してみることが大切なのではないでしょうか。

 要は、格好をつけないことです。

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 その3: とにかく恥をかいてみよう

 恰好をつけないこととも関係しますが、とにかく恥をかけば絶対に覚えます。

 日本人の場合は特に「L」と「R」の発音が問題になりますが、一度失敗すれば、必ず覚えるので心配ありません。

 長谷川さんがルーキーの時によくからかわれたり、店で通じず苦労した表現が掲載してあります。

 bath room

 トイレのことですが、bath の th の発音がむずかしいです。

thのすぐ後ろにrがあるのも厄介です。

 Cal State Fullerton

 これはエンジェルスでよくからかわれた表現だそうです。

 カリフォルニアにある地元の大学の名前ですが、Fullertonという発音には、日本人の苫手なFとLそしてRの3つが含まれています。

 water

 言わずと知れた水のことですが、「ウォーター」と素直に発音しては絶対に通じません。

 日本語で最も発音が近いのは、「ワ」に思いっきりアクセントを置いて「ワラ」と発音するのがいちばん適切です。

 a bottle of water

 直訳すれば「1本の水」だが、water だけでも厄介なのに、bottle がくっつく
と、なおさら通じなくなります。

 「ア・ボトル・オブ・ワラ」といってもダメです。

 日本語の感じでは「ア・ボロ・ブ・ワラ」と発音するのが、いちばん近いかもしれません。

 coffee

 これも日本流に「コーヒー」と発音しては通じません。

 「カフィ」と言えば、注文を聞きに来てくれた人は、コーヒーを運んで来てくれるでしょう。

 発音でバカにされるのも腹が立ちますが、その気持ちを発奮材料にして、さらに発音を磨こうという気持ちを持って欲しいです。

 発音が苦手ということは、相手の発音が聞き取りにくいということにもつながります。

 しかし、自分なりに練習を重ねていけば、相手の発音の祖も見えてくるようになります。

 発音には人それぞれにかなりクセがありますので、慣れるまでに時間がかかります。

 長谷川さんは、

 I think

「アイ・ティンク」のような発音に慣れるまでに丸5年かかったそうです。

 聞き取れなくて当たり前ですので、気にせず慣れることに全力を集中するべきです。

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 その4: 胸を張って話してみよう

 コソコソ話していては、相手に自分の気持ちは伝わりません。

 胸を張って堂々と話せば、アメリカ人は話を聞いてくれます。

 自分が話せる範囲で、自信を持って話してみましょう。

 長谷川さんは、日本人は特にシャイだ感じたそうです。

 日本人は、英語に慣れてきても、自分から積極的に話そうとする国民性ではありません。

 必然的に、聞き上手になっていきます。

 ところが、日本人とは対照的な国民性を持つ人たちもいます。

 スパニッシュ系の人たちです。

 彼らはとにかく、しゃべります。

 文法が間違っていてもお構いなしで、とにかく話します。

 ですから、人の話をあまり聞いていないように思えます。

 しかし、彼らは実に堂々と英語を話します。

 間違いを恐れずに堂々と話しているから、生き方にも自信を持っているように見えるのです。

 日本人の場合だと、英語を話す時点ですでに緊張してしまっている人が多いようです。

 野球に限らず120%の力を出そうとすると、緊張のせいで自分の力をかえって発揮できなくなると思います。

 それよりも、リラックスして80%の力で臨んだ方が、いい結果が出ると信じています。

 最初からリラックスして、落ち着いてから胸を張って話すように心掛けましょう。

 そうすれば、相手も自然と耳を傾けてくれるようになりますし、相手の言葉も耳に入ってくるはずです。

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 その5:  つまらない教材は捨てる勇気を

 教材に関しては投資だと思ってどんどんためらわずに買って、試していただきたいと思います。

 しかし、中には、どうしたって楽しめない教材や勉強していてもタメにならないと感じる参考書が出てきたりします。

 これは、致し方のないことです。

 もしそうなった場合、どうすべきでしょうか。

 せっかく投資して買ったのだから、無理をしてでも最後まで教材として使うという考え方もあります。

 どんな教材でも、最後まで通読すれば何かしら得るものはあるはずだからです。

 ですが、長谷川さんはこの方法は採らないそうです。

 教材が自分に合う、合わないという直感は、大切にすべきだと思います。

 合わないと感じたら迷わずその教材は放り出して次の教材に進んだ方が、上達のためには賢い手段だと思っています。

 お金を出して買ったのだから、もったいないという気持ちは当然です。

 しかしそれにこだわるあまり、効果の薄い英語トレーニングを続けても時間がもったいなくはないでしょうか。

 それなら、その教材を捨てる勇気を持ってより効果的な教材を探り、それを使って勉強に取り組んだ方がよりよい結果を生むのではないでしょうか。

 投資する勇気と捨てる勇気、このふたつをうまく使って欲しいのです。

 そして、どうしてその教材が自分に合わなかったのか、しっかりとその理由を分析することです。

 その原囚を突き止められれば、同じ過ちを繰り返さないで済みます。

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 長谷川さんは、長谷川式英語上達のための10か条をあげておられます。

 その6:  聞き取りは最初が肝心

 日本語と英語では文法が違います。

 日本語の場合は、

 主語→目的語→(補語)→動詞

という順番ですが、英語は、

 主語→動詞→目的語・補語

という順番になります。

 日本語の場合、最後まで聞かないと相手の伝えたいことが分かりませんが、英語の場合は最初が勝負です。

 私か、彼が、という主語が来て、その人が何をしたいのかがすぐ後ろに来ます。

 だからこそ、英語で会話するときは相手の言葉の最初に stay focus して集中します。

 最初を聞き逃したら、分からなくなります。

 ですから、最初に集中することです。

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 その7:  リスニング・単語の勉強は発音の勉強だと思え

 リスニングの勉強の目的は何でしょうか。

 ボキャブラリーを増やす目的とは何でしょうか。

 たいていの人は、リスニングの目的を、相手の言っていることを聞き取り理解するため、と答えると思います。

 ボキャブラリーに関しては、伝えたいことを正確に表現するために語彙を増やす、と答えるのではないでしょうか。

 その通りですが、それにさらに、正しい発音を身につけるため、という項目を付け加えたいものです。

 発音を気にしないでこの両者を勉強してももったいないし、無意昧になってしまう場合もあるからです。

 リスニングで気をつけて聞くべきところは限られています。特に、

 wanna

 should've

のような短縮形の音を注意して聞く必要があります。

 単語の勉強の場合は、日本人が苦手とする

 L

 R

などが特に注意する点です。

 勉強を始めた最初の段階では、自分でLとRを聞き分けることと発音の区別をつけることは不可能に近いです。

 ただ幸いなことに、LとRの聞き違いで勘違いをするようなケースはほとんどありません。

 実際の会話では、LとRを含む単語の前後関係で意味をつかむことは比較的容易です。

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 その8: 助動詞ができれば怖くない

 会話の場面では、文法というより決まった言い回しが必要性が高いそうです。

 そこで、出張などで外国人とコミュニケーションを取らなければならない場合は、直前に助動詞をおさらいしておくことをすすめておられます。

 これだけでも、かなり会話のテンポは弾むと思われます。

 具体的には、助動詞の

 may

 can

を基本にして、

 May I 〜?

 Can I 〜?

と疑問形を使えば、出張先のレストランやお店で困ることはないでしょう。

 このように、助動詞は、自分の意思を伝えるのには欠かせない言葉なのです。

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 その9: 完了形をマスターしよう

 長谷川さんは、日本人は完了形の使い方に慣れていない、と言われます。

 日常会話では、かなり早い段階で自分の言いたいことを表すのに必要になってきます。

 現在形を勉強した後には、完了形を徹底的に勉強した方が実践的だと、言われます。

 日本のビジネスシーンでも、次のような例文は多く使われる表現ではないでしょうか。

 I have been in charge of this project for five years.(私はこのプロジェクトに5年間携わって来ました。)

 それと自己紹介をする時には、

 I had played baseball for ten years by the time I graduated from a college.(私は大学を卒業する時まで、10年間野球をプレーしていました。)

などと言います。

 完了形を使って表現することで、自分のキャリアを紹介し、相手に伝えることができます。

 自分の過去を十分に表現してくれるのは、過去形ではなく完了形です。

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 その10: 自分の英語を疑うこと

 適者生存するには、アジャストメントが重要です。

 自分の弱点を見つけ分析し、それに対して処方箋を書いて弱点を克服するためにプランを実行します。

 これは英語にも言えることだと思います。

 方法はまったく同じですが、違うのは野球と英語の違いだけなのです。

 英語で最も重要なのは、解答がひとつとは限らない、ということです。

 日本の受験英語の弊害は、解答がひとつしかないと思わせてしまうことだと思います。

 英語の表現は様々な言いまわしがあるのに、点数をとるためにひとつの表現しか覚えないことは多いのです。

 受験英語から卒業して自分で英語に取り組む時に重要なのは、ひとつの教材、ひとつの表現に頼らないことです。

 もし教材に頼りっきりになっている人がいたら、この表現には他の言い方がないのか、この勉強方法でいいのか、自分に対する問いかけを続けて欲しいです。

 つまり、自分の英語を常に疑うことです。

 ベストの方法を常に探り続けるというモチペーションが、英語上達の最大の武器なのです。

 この項は、これで一区切りとします。

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